【連載コラム】SATOKOのフランス生活日記~5月 Bretagne ブルターニュ地方~

パリのモンパルナス駅から、高速列車(TGV)で北西部へ約1 時間半行くと、ブルターニュ地方の中心都市レンヌ(Rennes)に到着します。私はこのレンヌで2年間の学生生活を送りました。世界遺産のモンサンミッシェルに行く人達も、ここレンヌで高速バスに乗り替えます。

レンヌの駅から10分ほど歩くと、街の中心が見えてきます。ブルターニュ美術館やお土産屋さんを通り過ぎ、石畳の小道を進むと、中世の建物がそのまま残っていて、中はカフェやレストランになっている広場にたどり着きます。この街の私の一番のお気に入りは、フランス国内で2番目に大きい、リス広場(Place des lices)でのマルシェです。留学していた当時、土曜日の朝は決まってこのマルシェに行っていました。お肉、チーズ、パン、魚介類、野菜、果物、お花、オリーブ
、ワイン、ドライフルーツなどの専門店が毎回約300店舗も集まります。ブルターニュならではの、塩キャラメルや栗のクリームのクレープ、バターたっぷりのクイニーアマン、リンゴを使った商品のお店などを見ながら歩くのがとても楽しかったです。広場の目の前のカフェで朝食をとる家族、パントマイムをみる子供達、バイオリンやチェロなどの生演奏に合わせて踊りだす人などで、常に賑わっていました。

ブルターニュ地方には、独自の言語(ブルトン語)やダンスがあります。ブルターニュ地方の道路標識には、フランス語とブルトン語の両方で行き先が記載されている所が多くあります。ブルターニュの文化をとても大事にしている叔父の家族は、家庭内で今でもフランス語とブルトン語の両方を話します。子供から大人までみんなで丸くなって、ブルターニュの音楽に合わせて踊るブルトンダンスは、ブルターニュの人々の生活に欠かせません。夏時間があるヨーロッパでは、7月の21時頃でも外は明るく、カフェの周りで楽しそうにブルトンダンスをするグループをよくみかけました。学生時代には、フェストノズ( Fest noz)というブルトン語で夜のお祭りを意味するダンスパーティーに友人達と行き、会場の人々の楽しそうな雰囲気を今でも覚えています。

ブルターニュ地方の魚介類は有名で、牡蠣、手長海老、ムール貝、バイ貝などが食べられるレストランが海沿いを中心に沢山あります。カンカル(Cancale)という海岸沿いの町には、生牡蠣の屋台がある一角があり、レモンを絞った新鮮な牡蠣を食べに何度も通いました。ブルターニュといえば、りんごのお酒のシードルと共に食べる、そば粉で作るガレットが有名です。ブルターニュの夫の実家では週に1度はガレットを食べます。ガレットの中にはサーモン、野菜の煮込みのラタトゥイユ、ハム、チーズ、卵などをいれます。イベントでよく目にする、グリルしたソーセージをガレットの間に挟んだガレット ソーシス(Galette-saucisse)は子供達の大好物です。

過ごしやすい気候のブルターニュには多くの観光名所があります。海洋療法タラソテラピースパで有名なリゾート地サンマロ(Saint-Malo)、ブルターニュ地方のどの家庭にもある、名前入りのカフェオレボウルで有名なカンペール焼きがあるカンペール(Quimper)、そして、世界中から2500隻以上の様々な種類の船が一度に海上に現れる、ブレスト(Brest)の4年に一度の海洋祭りに行ったことが今でも忘れられません。

【今月の一言♫】

フランス語とブルトン語は似ていません。例えば ”さようなら” はフランス語だとAu revoir (オルヴォワール)、ブルトン語だとKenavo (ケナヴォ)といいます。日本でも見かけることが多くなった、フランスのお菓子、Kouign amant (クイニーアマン)は、ブルトン語でバターのお菓子という意味です。

<ライタープロフィール>

SATOKO

8年のフランス滞在の経験を生かし、通訳、フランス語レッスンなどの活動中。
本場のフランス菓子&料理のレシピをフランス語で読みたい、ホームステイ先で使える会話、簡単な旅行会話、おすすめ観光場所情報(マルシェ、雑貨屋、地方都市)などご希望に沿ったオリジナルなレッスンを作成します。お一人でも、お友達、旅行仲間と一緒でも♡ satoko39@yahoo.com

私の好きなフランスをこちらから発信 https://www.instagram.com/lily.mimosa/?hl=ja

プライベートでは未就園児を持つママのお茶会 « SUNFLOWERS »をベイタウンで主宰。   https://www.facebook.com/sunflowersjapan