【連載コラム】SATOKOのフランス生活日記~6月 Mariage 結婚~

フランスには、Mariage pluvieux, mariage heureux. ” 雨の降る結婚式には、幸せが降り注ぐ ” という素敵なことわざがあります。

今から10年前、フランスで初めて結婚式に招待されました。夫の親友の結婚式で、新婦も夫の高校時代からの友人です。教会の厳かな雰囲気、夜明けまで続くダンス、色とりどりのおしゃれな帽子をかぶった招待客の姿を、よく覚えています。

結婚式の前日には、新郎新婦の兄弟と一緒に、教会やパーティー会場の飾り付けをしました。結婚式や、洗礼式などのお祝い事に欠かせないドラジェ(砂糖でコーティングしたアーモンド)というお菓子があります。それをお皿に並べたり、バラの花を束ねたり、次の日の話をしながらの準備が楽しかった事を思い出します。

夜は、新郎の両親の家に友人が沢山集まり、昔話に花を咲かせました。

式の日の朝、招待客は市役所に集まりました。市役所では、きれいな色の素敵な帽子をかぶっている女性たちの姿が華やかで、目を惹きました。そして、新郎新婦の到着です。当日に初めて新婦のドレス姿をみる新郎は、とても幸せそうでした。

市役所の中では、フランス国旗のタスキを肩にかけた市長が待っていました。市長の前で、宣誓式を行う事により結婚が成立します。

市役所の後は、神父の待つ教会へ移動します。賛美歌が響く教会の中を、新婦は父親と歩きます。式が終わると、お祝いの鐘が街じゅうに響き渡ります。鐘の音が聴こえるなか、花びらのフラワーシャワーの下を歩く新郎新婦の姿は美しく、今でも忘れられません。

教会の後はパーティー会場に移動します。まずは、庭で歓談しながらのアペリティフ(Vin d’honneur)の時間です。それまで緊張していた新郎新婦も、ここではリラックスした表情です。

その後、室内に移動しパーティーが始まります。新郎新婦に一番近い所に、両親や親友の席が用意されていました。

ミュージシャンはいましたが、司会者はいません。グラスを軽くならしてから始まるスピーチ、新郎も飛び入り参加をした楽器演奏、兄弟によるスライドショーなど、終始和やかな雰囲気でした。

大人とは別の席に、子供席が用意されています。退屈しないように、塗り絵や本などが置いてあります。

新郎新婦への贈り物として、Liste de mariageというものがありました。新郎新婦が予め選んだ品物をプレゼントできるギフトブックです。

前菜、メイン、チーズ、デザートそれぞれに、新郎が選んだワインが用意されていました。食事の後はウェデイングケーキの登場です。クロカンブッシュという、小さいシュークリームがお城のように高く積み上げられているケーキが定番です。

食事の後はダンスパーティーの時間です。まず新郎新婦がみんなの前で踊り、続いて、招待客が新郎新婦と一緒に踊ります。

踊るのが大好きなフランス人。色々な音楽に合わせて、日付が変わってもずっと踊り続けていました。明け方には、オニオンスープが運ばれてきました。オニオンスープが運ばれてくると、パーティーの終わりを意味する事を、隣にいた友人に教えてもらいました。

次の日もまたお昼頃に集まり、ブランチに参加した後、解散になりました。

私は初めて参加した結婚式が、こんなに長時間に渡るとは思ってもいなかったので、びっくりしました。フランスには結婚をしない人も多く、フランスの友人達を通して、事実婚の制度が充実している事も知ることができました。

【今月のフランス語】

La lune de miel (ラ リュヌ ド ミエル)
= 新婚旅行

Le gâteau de mariage (ル ガト ド マリアージュ)
= ウェディングケーキ

La robe de mariée (ラ ロブ ド マリエ)
= ウェディングドレス

<ライタープロフィール>

SATOKO

8年のフランス滞在の経験を生かし、通訳、フランス語レッスンなどの活動中。
本場のフランス菓子&料理のレシピをフランス語で読みたい、ホームステイ先で使える会話、簡単な旅行会話、おすすめ観光場所情報(マルシェ、雑貨屋、地方都市)などご希望に沿ったオリジナルなレッスンを作成します。お一人でも、お友達、旅行仲間と一緒でも♡ satoko39@yahoo.com

私の好きなフランスをこちらから発信 https://www.instagram.com/lily.mimosa/?hl=ja

プライベートでは未就園児を持つママのお茶会 « SUNFLOWERS »をベイタウンで主宰。   https://www.facebook.com/sunflowersjapan