【連載コラム】SATOKOのフランス生活日記~2月Anniversaire 記念日~

2月といえばSt-Valentin (バレンタインデー)。フランスのバレンタインデーは、夫婦や恋人同士で過ごす日です。バレンタインデーは花束を抱えて帰りを急ぐ男性が多く、当時私が住んでいた家の近くのお花屋さんには、2月14日は仕事帰りの男性が列を作っていました。

大切な記念日の一つ、誕生日の過ごし方にも違いがありました。パリの勤務先では、誕生日の人がお菓子やケーキを用意していました。誰もが知っている人気店のお菓子を持ってきてみんなが大喜びしたり、朝早く起きて作ったのよ、とケーキ型に入ったまま嬉しそうに持って来る人など様々でした。私の誕生日の前日に「明日のケーキ楽しみにしてるよ^^」と同僚に言われ、慌てて夜にチョコレートケーキを作ったのを思い出します。フランスの幼稚園や小学校でも、誕生日の子がお菓子やケーキを持参し、クラスのみんなでお祝いをしながら食べるそうです。きっとその小さい頃の習慣が大人になっても続いているのかな、と思いました。

子供のお誕生日会では、子供自らが招待状を書き、当日はおしゃれをした子供達がおやつの時間に到着します。Pêche à la ligne (魚釣り)、Chasse au trésor (宝探し)、目隠しをした子供が、上から吊るしたお菓子が入った箱を思いっきり叩く、くす玉わりのような遊びPiñata (ピニャータ)などで盛りあがった後にはプレゼントタイムです。誕生日ケーキの定番のチョコレートケーキを食べ終わった頃に、親が迎えに来ます。フランスには誕生日を企画してくれるお店も沢山あり、楽器演奏、手品、風船遊びなどでパーティーを盛り上げてくれます。

大人になってからも誕生日パーティーは大切で、30歳、40歳、50歳などの節目には大掛かりなパーティーを行います。

夫のMamie(おばあちゃん)の90歳の誕生日パーティーは、私にとって忘れられない1日となりました。家族、友人、子供、孫、ひ孫の参加者総勢80名。私達以外にも、アメリカ、アイルランド、レユニオン島など海外に住んでいる孫達が、この日はみんながMamieの住んでいる町に集まりました。子供、孫が協力して企画されたこのパーティは、孫のシャルレンが作った映画のような手作りスライドショーで始まりました。Mamieのこれまで歩んできた道の映像をみて笑いあり、涙あり。Mamieの青春時代の歌を、同じく90歳になるお友達が奏でるアコーディオンに合わせみんなで歌いました。ステージでは各世代ごとに歌を披露したり、全員が一体となるダンスも踊りました。絵の得意なMamieの息子のジャンミッシェルは、半年かけて描いたMamieの家の近くの風景画をプレゼント。 手作りの温かさが至る所で感じられるパーティでした。

結婚式で出るようなケーキを食べた後は、みんなで記念撮影。その後はフランスの球技、ペタンクや散歩など思い思いに楽しみました。その頃Mamieはというと、ブロットというフランスのカードゲームの真剣勝負。外が暗くなりだし、途中キッシュやサラダ、チーズにパテなどの軽食が並びました。フランスのパーティーは長時間にわたるため、予め小さい子供達が眠れるスペースが確保されています。この日も2階の部屋では、何人かの子供達が寝ていました。なかなか会うことのできない親戚とも会え、次は100歳のパーティーだね、と言いながらみんなが会場を後にしたのは、日付がもう少しで変わる頃でした。

【今月のフランス語】
Anniversaire(アニヴェルセール)= 記念日。このAnniversaireを使って色々な表現ができます♬
Bon anniversaire(ボン アニヴェルセール)=お誕生日おめでとう
Gâteau d’anniversaire(ガト ダニヴェルセール)=お誕生日ケーキ
Cadeau d’anniversaire(カド ダニヴェルセール)=お誕生日プレゼント
Fête d’anniversaire (フェット ダニヴェルセール)=お誕生日パーティー

<ライタープロフィール>

SATOKO
8年のフランス滞在の経験を生かし、フランス語レッスン、イベント通訳などの活動をしている。satoko39@yahoo.com

私の好きなフランスをこちらから発信 https://www.instagram.com/lily.mimosa/

プライベートでは未就園児を持つママのお茶会 « SUNFLOWERS »をベイタウンで主宰。 https://www.facebook.com/sunflowersjapan